IFO注文とは
IFO(イフダンオーシーオー)注文とは、「IFD(イフダン)注文とOCO(オーシーオー)注文を組み合わせた注文」のことです。
「まずIFD注文が約定して、次にOCO注文が発注される」という仕組み。
IFD注文だと、決済注文がひとつしか出せないというデメリットがありますが、IFD注文の決済注文をOCO注文にバージョンアップしたものがIFO注文。
IFO注文は、エントリーであるIFD注文が約定すると、利益確定の指値注文と損切りの逆指値注文が両方同時に発注される、画期的な注文方法なのです。
図を使って解説
言葉だけで説明しても分かりづらいかと思いますので、以下では図を使って説明していきます。
1米ドル=120円のレートの指値買い注文でエントリーした後、121円で利益確定の指値売り注文、119円で損切りの逆指値売り注文を出すモデル。
120円でエントリーした後に、±1円どちらに動いてももれなく決済できるのが大きな特徴だと言えます。
IFO注文のメリット
IFO注文は、「一度の発注でエントリー~2種類の決済まで全て網羅」「利益確定と損切りが確実に」「安定したトレードが可能」という3つのメリット。
①一度の注文でエントリーと決済を同時に発注できる
IFO注文の最大の特徴である「エントリーと2つの決済をまとめて発注できる」おかげで、忙しいサラリーマンでも相場を監視する必要がありません。
もし時間がある人でも、エントリー注文の約定を確認してから、指値や逆指値、OCO注文などで再度決済注文を出すという手間が省けて便利。
また、IFO注文は新規注文の段階で決済レートまで決めなければいけないため、相場観を養うことにも繋がり、トレードの上達が期待できます。
②利益確定と損切りが確実にできる
エントリーと2つの決済注文が一度に出せるのはIFO注文だけです。
それ以外の注文方法だと、エントリーしかできなかったり、決済が利益確定か損切りのどちらかしかできなかったりします。
また、取れたはずの利益を逃したり、損切りができずにロスカットされたりという事故が起こります。
このように、利益の取りこぼしや損切りもれを防げるのがIFO注文のメリット。
③安定したトレードが可能
さらに、IFO注文を使えば指値と逆指値注文がどちらも出せるので、確実に利益確定または損切りができるというメリットがあります。
そのため、IFD注文のように「損切りは逆指値注文に任せられるけれど、利益確定は手動でするしかない」というトレードを卒業。
また「利益確定は指値注文に任せられるけれど、損切りは手動でするしかない」というトレードともお別れできるのです。
IFO注文のデメリット
いいことづくめに思えるIFO注文ですが、もちろんデメリットもあります。
ここでは「発注に手間がかかる」「最初にIFD注文が約定しなければ始まらない」「予想を外すと損切りばかり」という3つのデメリットを紹介。
①発注に手間がかかる
IFO注文は、エントリー・利益確定・損切りのレート3つ全てを入力しなければ発注できないので、手間がかかるというデメリットが。
スキャルピングなどの超短期売買においても、決済ポイントを前もって決めてトレードすることは大切ですが、注文に時間がかかるとせっかくのチャンスを逃すことに。
そのため、どちらかと言うとIFO注文は、デイトレードやスイングトレードなどの比較的取引スパンが長い手法に向いているのかもしれません。
②最初にIFD注文が約定しなければ後発のOCO注文が発動しない
IFO注文の仕組み上、IFD注文(最初のエントリー注文)が約定しなければ、後に続くOCO注文(利益確定+損切り)が執行されないというデメリットも。
例えば、1米ドル=120円で指値買い(エントリー)+121円で指値売り(利益確定)+119円で逆指値売り(損切り)というIFO注文を出していたケース。
120円まで下がらずに121円まで上がってしまったら、利益確定はできるのでしょうか?答えは「ノー」です。
残念ながら、120円のエントリー注文が約定しなければ121円の指値売り注文は発注されないからです。
③予想が当たらなければ損切りを連発してしまう
さらに、エントリー~決済まで自動でやってくれるから大丈夫と気を抜いて、安易にIFO注文を連発したとします。
その場合、毎回の損切り幅は小さくても、積み重なって大きな損失になるというデメリットがあります。
あまりに損切りが続く場合は、「ポジポジ病(ポジションを常に持っていないと落ち着かないというある種の中毒症状)」を疑ってみてください。
必要であれば、自分のトレードを見直した方が良いかもしれません。
IFO注文の効果的な使い方4つ
ここまででIFO注文の仕組みやメリット・デメリットについて解説しましたが、最後にIFO注文を実践でどう使えば効果的かを紹介します。
①指値買い+指値売り+逆指値売り
IFO注文の最も基本的な使い方です。
現在のレートよりも下で待ち伏せて買い、上がったところで利益確定を狙うとともに、下がっても損切りができるから安全、という注文方法です。
具体的には、現在1米ドル=120円の時、119円の指値買い(エントリー)+120円の指値売り注文(利益確定)+118円の逆指値売り注文(損切り)という出し方。
②逆指値買い+指値売り+逆指値売り
上記①を少し応用した方法で、現在のレートより高いところで逆指値買いを出して上昇トレンドに乗ります。
さらに上がったところで利益確定を狙うとともに、思惑通り上がらなければ損切りで撤退するという注文方法です。
仮に、現在1米ドル=120円の時、121円の逆指値買い(エントリー)+122円の指値売り注文(利益確定)+120円の逆指値売り注文(損切り)という出し方。
③指値売り+指値買い+逆指値買い
上記①の逆バージョンで、現在のレートよりも上で待ち伏せて売り、下がったところで利益確定を狙うとともに、上がっても損切りができる注文方法です。
仮に、現在1米ドル=120円の時、121円の指値売り(エントリー)+120円の指値買い注文(利益確定)+122円の逆指値買い注文(損切り)という出し方。
④逆指値売り+指値買い+逆指値買い
上記②の逆バージョンで、現在のレートより低いところで逆指値売りを出して下落トレンドに乗ります。
さらに下がったところで利益確定を狙うとともに、思惑通り下がらなければ損切りで撤退するという注文方法です。
仮に、現在1米ドル=120円の時、119円の逆指値売り(エントリー)+118円の指値買い注文(利益確定)+120円の逆指値買い注文(損切り)という出し方。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、IFO注文の「仕組み」や「メリット・デメリット」「効果的な使い方」について解説しました。
再度まとめますと、
まとめ
- IFO注文とは、「IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文」のことで、まずIFD注文が約定して、次にOCO注文が発注される仕組み。
- IFO注文には、エントリー+利益確定+損切りが一度に発注できるため、相場の監視が不要で安定したトレードができるメリット。
- 発注に手間がかかる、エントリー注文が約定しなければ決済注文も執行されない、予想が外れると損切りを連発の3つのデメリット。
- IFO注文は、「現在のレートより高い(低い)ところで拾い、戻りで利益確定」、また「現在のレートから上か下に抜けたところで流れに追随し利益確定」が効果的。
「なんだかややこしいし、使いこなせるかな」と最初は不安に思うかもしれませんが、IFO注文は利益確定と損切りが同時にできる唯一の注文方法です。
トレードに安定感を持たせるため、ぜひ使いこなせるようになってください。